お兄ちゃんの気持ち
ちょっと苦しい言い訳に聞こえたのか、お母さんは私を見て怖い目をしています。


「そうなの!おにいちゃん気をつけてよね!」

持っていたタオルをおにいちゃんに投げつけるようにして私は着替えるために自分の部屋へと逃げ込みました。


「カナコ、おにいちゃんに抱きつくの禁止よ!」


階段の下から、お母さんの大きな声が聞こえて。
それから、おにいちゃんに叱る声が聞こえてきました。


あーあ、またやっちゃいました。


1ヶ月前にお母さんから出された「おにいちゃんに抱きつくの禁止令」。


お母さんにバレないようにしてたんだけど、さすがに今日のは失敗です。
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