ツンデレプリンス


「あ、もうすぐ家だから、もういいよ。ありがとう」


「あ?別にこんな中途半端じゃなくてもいいだろ。最後まで送る」


「いいから!もうここまで送ってくれただけでも『大変よくできました』ものだから!」


バッタリ一条と稜弥が会っちゃったりなんかしたら、ドンパチしかねない。


これだけは阻止せねば。


「お前なんか挙動不審だぞ」


「え?あ、そう?……ってことでそれじゃ!!」


「ちょ、待て!」


引き止める声は無視して逃げた。


昔から逃げ足だけは速い方だったのだ。




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