Strawberry on the shortcakes



「夏休みなのに、ちゃんと朝起きてえらいなぁ」



一緒にエレベーターに乗って


一言、二言、会話をし


マンション出て すぐ右隣にある
ゴミ置き場にゴミを出して



「じゃあ」
そう言って駐車場へ向かう
藤代先生の背中に



「……あのっ!先生」



「ん?」


私を振り返って
先生は首を傾げた



ドキドキ ドキドキ


激しく高鳴る胸に
握った片手をあてて



「……い、いってらっしゃい
先生……………」



うわぁ~
言えたっ!
言えた…………けど


『いってらっしゃい』って言葉


結構、恥ずかしいなぁ


ゴミ置き場の前で
『いってらっしゃい』なんて


まるで まるで


フーフみたいだしぃ~



私が頭の中オーバーヒートしてると



先生は
柔らかく表情を崩して笑い



「はい。いってきます」


優しい声で言ってくれた



「―――――――――……っ」



先生!

その笑顔と声は反則だよぉ

もう幸せ過ぎて涙出そうっ



先生の『はい。いってきます』の余韻にひたって


いつまでもゴミ置き場に突っ立ってたから


駐車場を出た藤代先生の車にも


手なんか振っちゃったりして


先生も片手を上げてくれちゃったりして


あ~っ隣に住んでて良かった



朝から
幸せいっぱいの私なんです



< 122 / 283 >

この作品をシェア

pagetop