Strawberry on the shortcakes
手づかみでお行儀悪いけど
車の中でショートケーキを食べることにした
先生が私のケーキに
「はい、どうぞ」って
自分のイチゴを乗せた
真っ白いショートケーキに
真っ赤なイチゴが2つ
「先生。
ショートケーキのイチゴはね
たった1つだから良いんだよ」
私の言葉に
先生は少し驚いたように
「え?だって好きなんだろう?」
「うん。大好きだよ。
1切れの真っ白いケーキに
1つだけ真っ赤なイチゴだから」
ショートケーキのイチゴが
こんなにも特別に感じるのは
たった1つだから
その時に たった1つの物だから
「じゃあ、いらないのか?」
少し残念そうにした先生
「うん。1つでいい。
だから
私のイチゴを先生にあげるね」
「え?」
「先生のイチゴは私にください。
私のイチゴを先生がもらって」
私のイチゴを先生の真っ白いケーキに乗せて
二人で食べた
先生のイチゴは
すごく甘くて少し酸っぱい
きっと私のイチゴもそうだろう
お互いのイチゴを交換した
ショートケーキを食べて
私と先生はお別れをした