Strawberry on the shortcakes




紗智と生徒玄関から出て



傘を持たない私に



「絆、傘は?」



紗智が訊いた



うっ…


「降るのは夜だと思って持って来なかった」



紗智がため息ついて


「意外と抜けてるね」



綺麗な水色の傘に一緒に入れてくれた




校舎裏の駐車場へまわると



紗智は迷わず青い車に近づいた



これが藤代先生の車かぁ



藤代先生はもう運転席に座っていて



紗智は後部座席に入って行った



私がドアを閉めると



「紗智から送るから」



藤代先生が言ってワイパーを動かした



フロントガラスの細かい雨粒をワイパーが拭って



ヘッドライトをつけて車が動き出した



私は運転席の先生が気になって



だけど そちらを向く事はなかった




紗智が隣でアドレス交換しようとケータイを出して



私は笑ってうなずいて



藤代先生は ただ黙って車を走らせて




私が先生の後ろ姿を見つめてしまうと



隣の紗智にバレてしまうから



もう私は恋に落ちている



這い上がれないくらい



深い恋の穴に



私は落ちてる



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