私があなたであなたが私!?
そう呼ぶと源はゴール下にいる柊目掛けてボールを思い切り投げた。
ナイス、地味子!
いきなりあの柊 優を呼び捨てにした事をもろともせず、周りはただクラス1の運動オンチに、初めて喜びの言葉を心の声で言った。
あの柊なら必ずシュートを入れてくれる。もう点を入れたも同然だ。
周りはもう点が入ったつもりでいた。
しかし、思い切りのいいスカッという音が聞こえた。
「へ?」
敵も味方も関係なく全員の視線が柊へと移された。
しかしひとりを除いては。
こぼれて場外に思い切り跳ねるボールをスッと丁寧に受け取り、少しドリブルをしながら弧を描いて走り、綺麗にそつなくゴールに入れた。
一瞬騒然となる場に、耐えきれず、ひとりの女子が声を張った。
「すっごーい、地味子!」
…入れたのは源 千夏だった。