私があなたであなたが私!?
―――なんてことも言えず
私は「あはは…」と
乾いた笑いをしながら
お母さんに言った。
「ありがとう、お母さん。
明日さっそく行くね」
「ええ、楽しんできなさい」
お母さんはニッコリと笑ってる。
お母さん…
その笑顔が私には痛いよ…
悲しいものだ。
私は割引券をじーっと見てみた。
場所は学校から
ちょっと離れたとこだなぁ
私の家の方向とは反対の方だ。
でもそこまで遠くないし
明日にでも行こうかなぁ
一人で…
本当に悲しいよ。現実は!
えっと店の名前は…
『たいちゃん』!?
なんとも愛らしい名前だな〜
明日さっそく行ってみよ♪
お母さんにも
買って持って帰ろう!
きっと喜ぶなぁ
私はうふふと笑いをもらした。
するとお母さんは
それを勘違いをしたのか
またまた笑顔で私に言う。
「そんなに嬉しいのねぇ。
確かに友達と食べに行くのは
楽しいものよね♪
お母さんもあのころは
青春してたわぁ」
「あはは…だね」
私はそんなお母さんを見て
苦笑した。