ホスト☆ガール
『だったらさぁ~、
なっちゃん、うちの店で
働かない?』
はあ?
うちの店って…
姉ちゃんの店ってこと?
「姉ちゃんって、店とか
持ってたの?!」
『あたしのじゃなくってぇ
ダンナのよぉ!
で、どうすんの、働くの?
…ちょっとっ、そのビール
あたしのよぉ!』
…働くのって、
働くしかないでしょ。
あたしには他の手段なんて
残されていない。
バイトとか普通に探してたら
軽く1週間すぎるし!
「わかった、働く。
よろしくね」
『んー、了解っ!
じゃ、明日昼にいつもの
とこで待ち合わせねぇ』
「わかった、じゃね」
『ばぁいば~い』
騒々しく音が消えて、電話
が切れた。
…良かったぁ。
バイトが決まらなかったら、
食べれなかったわけだし
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―――――……
その夜、あたしが心配して
いたことは、姉ちゃんが、
酔って約束を忘れてないか、
ということだけ。
そのお店がどんなお店かとか
なんて、
全く心配していなかった…