学園(吟)
渚さんは吟ネエのお酒を買いに行った。

「ふう」

一安心しながら、二階へと上がる。

渚さんの魅力の底が知れない。

後一歩進んでいれば、確実に俺は渚さんと一夜を共にしていただろう。

「ささ、吟ネエに教えにいこう」

二階に上がると、ロベリアが吟ネエの扉を爪でかいていた。

「ど、どうしたんだ?」

「にゃあ、にゃあ」

何かを訴えるものの、意味が解らない。

「吟ネエ」

家から出た気配はない。

だとすれば、部屋の中にいる事は間違いない。

鍵がかかっている。

「なあ、酒は買ってきてくれるって、渚さんが行ってくれたよ!だから、開けてくれ」

しかし、開かない。

いつもなら開いていてもおかしくないのに、どうしたのか。

「くそ」

突き破るか。

いや、他にも方法はあるはずだ。

窓ならば、何とかなるかもしれない。

俺は急いで家を出て、塀の中にある木を登っていく。

そして、吟ネエの窓に触れてみると、開いていた。

「入るからな」

強引すぎるが、やるしかない。

俺にしたら、一大事だ。
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