学園(吟)

贈物

日曜の朝、時刻は11時。

目覚まし時計のアラームによって、ノートが視界に移った。

机に覆いかぶさるように寝ていたようだ。

身体を起こして、ノートを見ると2ページから進んでいない。

答えが出ないままで課題なんかやっても進まないのはわかっていた。

でも、答えは出たんだ。

「そうか」

夢の記憶はしっかりと残っている。

俺の気持ちは、吟ネエに向いているようだ。

平常心は保ってはいるけど、吟ネエの顔を見たときにどうなるのか気になる。

急に高ぶったりはしないだろうか。

しかし、夢の中の笑顔は思い出せなかった。

今の印象が強すぎるせいなのだろうか。

約束事も覚えてないし、笑顔の記憶も思い出せない。

俺は一体何をやっているのか。

自責し続けても仕方ない。

今日はどうするか考えよう。

そのまま渡してもいいけど、物足りない感もあるんだよな。

でも、変に凝るのも嫌だし渡せる雰囲気になったら渡そう。

Tシャツとジャージのまま一階に下りて、リビングに向う途中で玄関を見る。

吟ネエの靴がない。

朝からどこかに出かけてしまったらしい。

学校とは違うので、どこに向ったか想像がつきにくい。

自分の性欲を発散させるために外に出てしまったのだろうか。

そういえば、昨日は俺とのキス以外は何もしていなかったもんな。

「はあ」

プレゼントを渡そうって時に、嫌なことを考えてしまった。

どんな気分になろうとも、お腹は空いてるのでリビングに向う。
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