紅の系譜
ぼんやりした意識の中に、突然別の声が割り込んできたような感覚。

「ん・・・・?」

「お前、いつまで寝てんだよ?とっとと起きないと、遅刻するぜ?」

目の前には、昇がいた。私の眼には、しっかりと昇の姿と、自分のパジャマ姿がうつっている。

「きゃ、きゃああ!でてってよ!」

起きぬけに、いきなり叫ぶ私にむかって、いつも見てるだろうが・・・・という顔を向ける昇をみて、抗議するのをあきらめた。
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