Symphony V
着信はレオンからのものだった。唯は慌てて電話にでた。

「もしもし?」

『唯!大丈夫か!?』

少し焦った様なレオンの声に、唯は少し驚く。

「大丈夫だよ。どうして?」

不思議そうに唯が聞くと、レオンは少し、いいにくそうに答えた。

『ホテルの部屋が荒されてたんだ』

「え?」

レオンの言葉に、唯は動揺する。

『幸い、盗まれたものは何も無かったんだけどな。少し気になって』

レオンに言われて、唯は思わず自分の部屋の方を見た。

「…私の部屋、も、誰かに荒されてたの」

『なんだって!?』

驚くレオン。が、唯はまた、そのことを思い出して少しぶるっと震えた。

『すぐにそっちに行く。待ってろ』

「え?レオン?レオ…切れちゃった…」

電話ごしに、ツーっツーっと音が鳴る。唯は携帯を切り、ぎゅっと握り締めながら、自分の部屋の方をまた見た。
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