Symphony V
「…妙ですね」

警官に言われて、唯も、確かに、と頷く。

「ご両親の部屋も、念のため確認させていただいてよろしいですか?」

「あ、はい。こっちです」

そういって、唯は両親の部屋の前に行き、扉を開けた。


ツンと鼻をつくような臭いがした。

思わず唯は眉を顰める。

「なに、この臭い?」

決して気持ちのいい臭いではない。首をかしげながら、部屋の中に入っていった。
2・3歩進んだところで、足にぬるりとした感触がつたわった。ぴちゃっと液体を踏んだような音が同時にする。

「え?やだ、なに?」

思わず下を見る。


暗い部屋の中、黒い物体が2つ。

床に転がっていた。



「なに?これ」


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