【長編】sadist and masochist love stories
「お前、湊司の優しさを無碍にする気か?」


「はっ?」


「お前が負けた瞬間を見た仲間は多かった。
しかも、撮影してた奴がいたのも知らなかったろ?
けどな。
湊司の一言で出回らなかったんだよ。
それを.....」


てか、なんで俺じゃなくて陽生が怒ってんだ?


「陽生、その話は、後にしようか?
めんどいから、さっさとやろ?」


勝てばいいんだろ?


制服で動きづらいがいいか....


ハンデって事で。


田中は、ちゃんと負けたいのか?


陽生の言葉で思い出した。


たしか....


『疲れてたんだろ?
人間そんな日もあるさ。
それに、路上でやってる俺に本気になるか?』


こういった。


見てた奴らは、納得してくれた。


油断したから、負けた。


そういうことにさせた。
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