真夏の太陽
「和良は?」
「んー。うちは,まぁ…ベスト4が目標かな」
「そっか。がんばろうな」
「うん!」
ふたりは微笑み,前を向いた。
「十座ぁ!」
そんな十座を呼び止める声。
主は天寺。
十座は振り返る。
「なに」
「監督が呼んでる。部室前」
「あぁ。サンキュー」
ふと,隣を見れば,和良の姿。
「悪ぃ,和良。待ってられるか」
「うん。なるべく早くね」
「わかった。じゃあな,天寺」
「うん」
走って監督のもとへ向かう。
その背中を,和良は愛しそうな眼で見つめている。