真夏の太陽
「…和良は,十座が好きなの?」
「はいぃ?」
「…ちがう?」
天寺があまりにも直球なので,顔を赤くする暇もなかった。
「好きだよ」
天寺の顔を見ず,和良は呟いた。
「野球やってる十座が好き。てゆうか,野球やってる十座しか知らないし。十座から野球を取ったら,多分何も残らない。野球やってない十座は,想像できない」
「…ふぅん」
「って,なに言わすんだよ!!」
和良は顔を赤らめた。
天寺は和良に挨拶をして,学校を後にした。
「…周り,よく見てるよなぁ」