真夏の太陽


「和良ぁ」

十分ほど待つと,十座が部室の方から走ってきた。

「遅い!」

「悪ぃ」

十座は両手を合わせて謝る。

「帰るよ」

「あぁ」

和良は十座に背を向けた。

「監督,なんだって」

「組み合わせ。決まったんだ」

そう言って,一枚の紙切れをちらつかせた。

本来ならば,主将が行くべきなのだが,練習の時間が減るため,監督と三年のベンチに入っている選手で,抽選会に行って来たのだ。


「へぇ。今年は決勝?」

聞かなくてもわかる。

華座との対戦のことだ。



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