キ ミ イ ロ
「お兄さん、来たよ」
阿藤先生が、ふっと微笑みかける。
──・・・嘘?
だって櫂兄、学校だもん。
「……間に合った…」
櫂兄が近づいた。
息を切らせて、
制服が乱れてる。
学校、なのに来てくれた?
「……櫂兄?」
「………疲れた」
黒い癖毛も、乱れてる。
櫂兄はおもむろに手を握った。
「…待ってるから」
予想外な出来事で、頷くしか出来ない。
櫂兄が来てくれた、
それだけですごく嬉しかった。