VANPAIA
アノ頃の事を思い出して
あたしは身震いする。
あたしの髪は真っ黒だから
余計ゴールドの目を引き立てるのだ。

パパとママのどちらにも
目にゴールドの色素なんてない。


あたしはずっと自分の得たいの
しれなさに気味が悪くなっていた。

だけど、あの日。
ユーリウス=レナルドの
ゴールドの瞳を見て、気持ち悪いなんて
思わなかった。綺麗って言葉と
気持ちしか浮かんでこなかった。



だから、なんだか少し
自分に対して自信が持てた
気がするんだよね・・・。



まあママが言うみたいに
自分のことをきれいだなんて
これっぽちも思いはしないけど・・・。





ぼーっとしてユーリウスの
ことを考えているとふと目の前に
近づいてくる車が目に入った。


「?」

ユーリウスがくるにはまだ早すぎるわよね。


時計を確認するとまだあたしが来てから
5分しか経っていなかった。


きっと違うところに用があるんだわ。
それに高級車だし。


と気にしないでいると
ふと声をかけられた。









「クレア」









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