最高級の召使
じぃには悲しい過去があることを
父が教えてくれた。


じぃの一人息子は、
いずれはうちで働くことになっていた。
じぃの家はいつもそうして
有栖川家に仕えてきたが
息子は召使という響きがいやで
抵抗した。

「親子の縁を切る」
そう言って
外国に行ったきり
帰らなくなった。


それから二十年くらいたったある日

外国から向こうで家庭を持っていた
息子夫婦が事故で死んだと
連絡が来た。

その時、初めて
私用でじぃは休暇をとり
息子の亡骸に対面した。


息子には、二人息子がいた。
父は、自ら後継人となり
じぃの孫の面倒を見てきたという。





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