最高級の召使
「あなたの強い意志に満ちた目が
好きです。気品に満ちて、気高くて
意地っ張りで、泣き虫で、わがままで
だけど素直で、愛らしい。
どうか、自分を愛してあげてください。
あなたはもっと輝きます。
私はそんなあなたをどこかできっと
想像しながら愛していますから。」



うん…
どこかなんて言わないで…
そばにいて…
近くにいて…
ローサがそばにいてもいいから……
ね?…私のそばにいてくれたら……
きっと輝けるから……


眠りに落ちそうになりながら
必死に伝えた。
言葉がうまく言えなかったけど


まだ時間あるもん……ね?



倉之助の熱い唇を
最後に感じて私は目を閉じた。

次の朝、まだ会えると信じていた私は
愕然とした。




倉之助はもう来なかった。



うそつき……
うそつき……


従業員のアパートには
要之助の姿もなかった。


その日から学校は冬休みに突入した。



卒業式を間近にしても
要之助は学校に来なかった。
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