最高級の召使
運転手も目をうるませていた。



「よかった、お元気になられて。」


「ごめんね、心配かけて。」


「ご様子が変だと思っていたのに
お力になれなくて・・・・
でもよかった。
これからもおそばで見守らせてください。」



「ありがとう・・・」



どれだけ迷惑をかけたか
身にしみた。


海は真っ赤にそまっていた。



倉之助が言った。


一日の反省の色・・・・・



強くならなきゃ・・・・・
死の恐怖から
自分自身がもがいて
のがれてきたんだから……



車の窓から海を見ていると
一人の男性が海を眺めていた。


海に向かって
真っ赤な空にとけ出しそうに見えた。



「明日もきっといい天気だね。」
私は前を向いた。
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