最高級の召使
日本からの便が
到着したようだった。



観光に来たんだろう
日本人が大きなスーツケースを持って
出て来始める。



その中で目が止まった。



私はその方向に駆け寄った。



向こうも私を見つけて
慌ててドアから出てきた。



「パパ!!ママ!!」



両親が…会いに来てくれた・・・・
涙が溢れる。

母は私を優しく抱きしめて
寝息を立てる息子を見て
顔を押さえた。


父は倉之助に握手を求めて
娘を見た。


「おじいちゃま?」

娘の声に


「楓にそっくりだな。」と声を上げた。


父と母は娘を抱き上げた。


「はじめまして。
おじいちゃまとおばあちゃまです。」


娘は声をあげて笑った。



倉之助の手が私の肩を引き寄せた。


「ありがとう、楓・・・・・
俺の人生、ほんと幸せであったかいよ。
楓の召使として
出会えて本当によかった……」



「最高級の愛をありがとう」



娘を抱きしめて喜ぶ両親の姿を
見つめながら

私の幸せな人生は最高級になった。



    ~~~~E N D~~~
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