空 猫-ソラネコ-

「君、声が出ないの?」

白ネコは首を傾げながらそう聞いた。

ぼくはどうしていいのか分からなくて、下を向いた。


「そっか・・・」


白ネコは、ゴミ箱の上から降りてきて、ぼくの目の前にきた。


「こんな所にいてもつまらないし、一緒にこない?」


白ネコは、優しく微笑んでぼくをゴミ箱のかげから連れ出してくれた。



ぼくは、黙って白ネコについて行った。





しばらく暗い路地を歩いて行くと、街灯に照らされた薄明るい所についたんだ。




.
< 8 / 81 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop