One Way Ticket ２

携帯を睨んで大きくため息が出る

「なんで・・・こうなるの？」


週末は那智と一緒にすごそうと思ってたのに


重たい足取りでリビングに戻った

仁と那智は不自然なくらいに楽しそうに話していた


「おお。電話終わったのか？」

わざとらしい仁の口調

「うん。お母さんからだった。」

那智にお見合いの事なんていおうかな？

「・・・お母さんなんだって？」

那智は私を見つめる

この視線は私に逃げる隙を与えない

「お見合いしろって。」

私はため息交じりに答えた

「お見合い？千香が？まだ早いだろう。」
仁は笑をこらえきれずに
ニヤニヤしだした

「私だって・・・思ったけど。
仕方ないじゃん。お母さんの会社の
取引先の大切な人なんだもん。」

納得いかないけど

納得するしかないよね


「いつなの？お見合い。」

那智はまだ冷静だった

「来週末。だから金曜日には実家に帰るよ。」

「そっか・・・」

少し寂しそうな那智の顔・・・


ごめんね



「まぁ、しかたねーか。」

仁が言わないでよ！

「じゃ。ま、俺は千香の引っ越し祝いの料理でも作るよ。」
いそいそ
キッチンに立つ仁

「あ、手伝うよ。」

私は仁の横に立って
一緒に料理をする


那智はパソコンをいじり始めた