君と歩む夢みて~時は平安~

波乱




あれから…約1ヶ月。



私の想いは色褪せてなんかいない。色褪せるどころか、更に強くなってる。



会えない時間が愛を育んでいた。



今、村へ出ることを禁じられているため私は天竜と会うことが出来ない。



そのかわりに…私達は文を交わしている。



要するに文通というもの。



弦と咲威を通じ文字を教え、歌を贈ったり、日常を書き記したり…



それだけでも、十分だった。



天竜からの文は、一通、一通…大切にしている。



私の宝物…。



「黄泉様!只今戻りました。咲威です。」



襖に人影が見えた。



咲威が村から帰ってきた様子。



「入れ」



「失礼します。…天竜からの文を持って参りました。」



そんな…咲威の一言で私の胸は温かくなる。



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