君と歩む夢みて~時は平安~
決別
天皇のもとへ向かってる間、嫌なことしか考えれなかった。
何故か、天竜も一緒で。
もう…嫌なことしか有り得んだろう。
考えれば…考えるほど辻褄が合う。
いつもより、酷かった陰口も。
多恵のあの表情も…。
私が…農民と交際してるとなれば…そうなるだろう。
横にいる天竜も感づいているのか…なにも言わない。
不安で押しつぶされそうだ。
もし…私の考えが当たってるとすれば…
今度こそ処分を受けるかもしれない。
私より、天竜が。
一般的に考えて…私より…農民の天竜が酷い仕打ちを受けるだろう。
天皇のいる場所に近づけば近づくほど…空気が重く感じた。