Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜

ロッカーに着いて着替えたあと
校庭へ出て


全校生徒が集まり初めている中を掻き分けながら


私達はクラスの列に並んだ


暑いなぁ……


9月も中旬に差し掛かろうとしているのに
陽射しはまだ暑くて夏みたい


列に並びながらボンヤリ空を眺めていると


隣のクラスの女の子達の声が聞こえてきた


『あっ…大羽君!!』

『ジャージでもイケテるね♪』


その声に反応して思わず顔を上げると


沢山の派手な女の子達に囲まれた昴君が目に入った


あっ……


別れてから2週間

久しぶりに見る彼は前と同じで爽やかに笑ってた


その顔を見た途端


私の心の中は複雑な気持ちで一杯になった


自分から別れたくせに

やっぱり昴君は私が居なくても変わらず生活出来るんだね


って悲しくなる……


こんな考えは狡いって分かってるのに


私は彼を囲む女の子達に嫉妬した


こんなんじゃ別れた意味ないじゃん……


私いつからこんな狡くなったんだろう


そんな自分が嫌で見ないように下を向いた



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