Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜

情けない気持ちで

俯いて地面を見てたら


『おい、中尾!』


担任の先生に声を掛けられた


『お前、実行委員だよな?悪いけどリレーに使うバトンを10本、体育倉庫から持ってきてくれ』


「あっ…はい、分かりました」


昴君を見ていたくない私は逃げるように体育倉庫に向かった





体育倉庫は校庭の調度裏側にあって

人が一人も見えない

走って体育倉庫に着いて


重い扉を開けて中に入った


「えっと…バトンは…」


薄暗い倉庫の中からバトンを探してると


奥のほうにバトンがあるのが見えた


「あっ!あった!!」


バトンを10本手にして


「これで、10本♪っと」


立ち上がると体育倉庫の入口から男の子達の声が聞こえた


それも聞き覚えのある怖い声


ふっと振り返ると

そこに居たのはあの日私を襲った

男の子達だった……



何で……


何でいるの……


どうしよう……


また何かされたら


あの日の光景がフラッシュッバックするかのように蘇る

『うるせぇな!大人しくしろよ!!』

あの低いドスの聞いた声

それを思い出すだけでも怖くて足が震えた……



< 134 / 236 >

この作品をシェア

pagetop