Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜


私は一年前の出来事を昴君に話した


「だ…から…私…大会に…」


言いかけると
昴君が抱きしめている手に力を入れて口を開いた


「分かった…萌音…一年間よく一人で頑張ったな」


そぉ言って私を見詰めた


「でも萌音、お前一つだけ間違ってるぞ…」


えっ…

間違ってる??


「何が???」

聞くと昴君は優しく微笑みながら答えた


「お母さんは始めから萌音を許してるはずだよ…」


お母さんが私を許してる…


それから静かに話し出した

「俺の母さんは俺を産んだときに亡くなったんだ…」


昴君のお母さんが亡くなった…


【俺ん家姉貴が二人居てさ、どっちも怖いんだけど、その姉貴が良く言うんだよ…親は我が子が無事に産まれただけで幸せなんだって!だから母さんはお前の為に亡くなってすげぇ幸せだったんだ!!ってさ】


昴君はそぉ言ってもぉ一度私を抱きしめた


「だから、お前のお母さんだってお前が産まれてくれただけで幸せだったんだよ!!」

お母さん

お母さんは幸せだったの??


「お母さん…怒ってないかな…」


「当たり前だろ!!子供に憎まれ口叩たかれた位どって事ねぇよ!!それより許してくれない何て思ってる方がお母さんに失礼だぞ!!」


昴君…


「ありがとう…」


私は真っ赤な目をしながら笑った


「やっと笑った…」


安心したように呟いて私の肩に顔を埋めた


そして…


「ちょっと待ってろ!!」


って言って走って何処かに行ってしまった…


一人になった私は空を見上げた


あかね色に染まった夕日からお母さんが見ている気がした

お母さん…

私、お母さんが優しかった事忘れてた…


いつも私のする事を笑って許してくれたよね

そんな事も見えなくなる位

お母さんの死がショックだったんだよね…


でも、もぉ平気だから強くなるから見ててね…



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