Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜

ふと中庭の入口を見ると昴君が走って来て


「弁当!!食おうぜ!!」


といってお弁当を差し出した

「それ…」


「萌音の作った弁当。ちゃんと冷蔵庫に入れといたんだぞ♪」

「ありがとう…」


その優しさにまた涙が溢れて来た


「ほらっ!!いつもの場所で食おっ♪♪」


「うん!!」

私達はハート柄のランチシートに座ってお弁当を開けて食べた


「旨い!!!」


そぉ言って最高の笑顔を私に向けてくる


「本当に!!嬉しい!!」


私が喜ぶと

昴君は手招きして私を呼んだ

「何???」


「耳貸して…」


そっと耳を近付けると

「大会には出れないけど、萌音の弁当が俺の中では優勝だから…」


そぉ言って少し赤くなりながら顔を反らして
またお弁当を食べ始めた


私はその横顔を見詰めながら


ブレーキをかけていた気持ちが溢れ出していた…


私は…


昴君が大好きなんだ…


その声も手も優しさも全部大好き…


貴方の気持ちは解らないけど

溢れ出した思いはもぉ止める事は出来なかった…


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