永遠の絆
初雪が降ったその日、

あなたは目覚めた。

雪だよ、

と私は言って。

あなたは答えることはできなかったけど。

震えた指先で、私の頬を流れる涙を拭いた。

『泣くなってば!』

昔から、そう言ってたっけ?

泣かないでいられる訳がないじゃない。

あなたはそのまま、手を伸ばして。

指輪を私の指に嵌めた。

小さな頃に両親に買ってもらったそれは、

もう小さくて入らなかったから、

あなたは私の小指にそれを嵌めた。

最期に、

あなたはそっと笑った。
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