【CORORS①】虹色の扉

身代わり姫


 天地がひっくり返るような大きな驚きの声をあげ、暫し放心状態の梨乃であった。

 だから、俺ももう一度説明した。

 憶測だけどな。


「それ本当なの?
 私が、ヒカル様と一緒に出演できるの!?」

「ワンシーンだけなんだけどな。
 頼む」

 友だち役を探していたのは本当。

 
「良いわよ」

 けど──。


「助かるよ」

 嬉しさのあまり、両手で、ガッチリと握手を交わした。

 こんなにも簡単に引き受けてくれるとは想わなかったな。


「お礼に温泉をプレゼントする」

 実は、こっちがメイン。

「え~っ!?
 いいよ~。
 ヒカル様と生で会えるだけで、幸せだしぃ」

「いいから、いいから。」

 湯けむりでラインは見えないとはいうものの、やはり俺は女湯に入る事は出来ないし

 梨乃、ごめん。

 本当の事言えなくて。



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