【CORORS①】虹色の扉

寄道


 お参りが終わり、祐希くんは凛とした顔を向けられる。

 見慣れた顔なのにドキッとしてしまいそうな顔。


 「何を考えていたの?」

 「ちょっとね、3年前の事思い出してた」

 「まだ……辛いよね?」

 「大丈夫。私今は一人ボッチじゃないもの」

 「頼りないかもしれないけど、俺……力になるよ」

 「もう十分力になってもらってるよ♪」


 もう十分だよ

 来年になったら働きに行けるし、卒業したら篠原家を出るつもり。

 いつまでも居候は……良くないものね。

 寂しがるだろうからまだ言わない。


 石の周りの紫陽花が雨に打たれる光景が心を無にしてくれる。

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