【CORORS①】虹色の扉

 「祐希くん、いつもお母さんのためにありがとね」

 「何改まってんだよ?」

 「うん、今までちゃんとお礼言わなかったし」

 「今更だろ?」

 「そうだね(笑)」


 私たちは再び二つの傘を広げ、霊園から遠ざかる。


 「ちょっと寄り道して行かね?」

 「うん、いいよ」


 珍しいな

 いつも“飯メシ”って真っ直ぐ帰る祐希くんなのに。


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