白雪姫と毒リンゴ

本当に対照的だなって思う。

金色に近い茶色い髪と耳元に光る蒼のピアス。

染めたこともない黒い髪と紅のピアス。

「何かあっか?」

じっと見てたから、亮が眉を寄せた。

「なんでもない。」

私はサラダのトマトをフォークにさした。

「本当に3人は対照的ね。」

ドキッとした。

隣の秋矢のお母さんが言ったんだ。

「良いわね。3人ともモテるでしょう?」

沈黙が流れた。

亮は女たらし。

秋矢は優等生。

私は毒リンゴを持つ白雪姫。

「照れないのっ!」

秋矢のお母さんは、私の背中をバシッと叩いた。

私は、むせた。





< 7 / 100 >

この作品をシェア

pagetop