『だから、好きなんだって。』
すると、どこからパタパタとこの斜め前の席に向かって誰かが走って来た。
「彩美ぃ〜!」
「ど、どうしたの?奈美ちゃん!?」
走って来た女は何やら困った顔をして、そいつの席に駆け寄った。
そして、何か言おうとして、ふと顔を上げたそいつは、
立ったままの俺が視界に入ったのか、少し目を丸くしながらこっちを見てきた。
「………あ。」
そいつは口に手を当てながら、少し驚いた様子で俺を見たかと思うと、、
いきなり不信そうに顔色を変えて、
やけに俺を睨みつけつきた。
………ぁ?
何だ?こいつ…。