俺と葉月の四十九日
それまで俺は、安田を名前で葉月と呼んでいた。
だが、同級生にからかわれたのが面白くなくて、名字で安田と呼んだ。


安田は悲しそうな顔をして…怒って叫んだ。
何でいきなり安田って呼ぶんだって。


今となっては、つまらない理由。


仲直りしたのは、その日の放課後。
安田は俺のチャリの前で待ってた。


俺を見つけて笑って…後ろに乗せてって!圭ちゃんって…何も無かった様に言ったんだ。


安田はサッパリした奴で、だから今も一緒に居られるのかもしれねぇ。

いい奴だってわかるから、ユーレイでも関係ねぇと思えるのかもしれねぇ。


お互いに彼氏彼女ができても、何も変わらなかった。
変わる訳ねぇって、根拠の無い自信すらあった。


親友?腐れ縁?

よくわかんねぇけど、安田は俺にとってただの女子じゃなかった。

彼女とも違う、男友達とも違う…そういうありきたりな言い方では足りない気がする。


大人になっても変わらねぇって…そう思ってた。

でも、安田はもう死んじまってるんだよな…。


やっぱ、何かしっくりこねぇ。
安田が居なくなるってのが信じられねぇ。


今も、俺の隣で雑誌を読む安田。
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