俺と葉月の四十九日
当たり前だと思っているこの光景も、四十九日になれば二度と無い光景だって実感がわくんだろうか?


考えられねぇ…。


正直に言うとそうなっちまう。



「圭ちゃん」
「何?」

安田は、雑誌を閉じると俺を見る。

「私、圭ちゃんちに先に帰っててもいい?」

何だ?珍しいな。
いつも終わるまで遊んで待ってんのに。
さすがに飽きたか?

しかも帰るって、自分ち感覚?
今更突っ込む気も無いけど。


「いいけど散らかすなよ?」

安田はマンガを読みっ放しにする。
片付けられないユーレイだ。

「はぁい〜」

わかってんだかわかってねぇんだかの返事をする安田。
のん気なユーレイだな、お前は。


「あ!忘れてた!圭ちゃん」
「あ?何!」
「私ね、あのデザートコーナーにある納豆ゴマムースって気になるんだ!」
「…帰りに買ってきゃいいの?」


やっぱわかんねぇ…この女の味覚も。









「やぁ、おじゃましているよ」
「―?!」

…帰宅すると、部屋にはなぜかブル田が居た。
安田と一緒にまたプリン食べてる。

…持ち込みか?


「バイト帰りに安田サンと会ってね。招待されたのだ」

招待?!俺の部屋だぞ?!
< 58 / 267 >

この作品をシェア

pagetop