Vanilla Essence

恋煩い




放課後から行ったということもあり、あれから長居はせずにすぐに解散となった。
お互い連絡先を交換しないまま(大貴と弥生は交換していたが)、解散した。どうせ会うことはないだろうし、連絡先を聞いたところでかけることもないから。


その日の夜。
風呂から上がり、翌日の用意などを終わらせた紗由美は、ベッドに横になり珠希と電話していた。


『今日は散々だった…』

「あはは!!確かにね」


珠希の如何にも困りましたというような暗い声色を、紗由美の明るい声色で吹き飛ばす。
いつもは逆のパターンなのだが、今日連れ出された場所がカラオケということもあり、珠希の声は暗かった。


『そういえば今日、楽しそうだったね!!』


えっと、城田君だっけ?と、言う珠希の声。



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