Vanilla Essence




でも、何でも言える珠希にも、自分を心配してくれている圭にも、何も言えなかった。



芯のお兄ちゃんに言われたから。




――――もし誰かに喋ったら、珠希ちゃんにも手出しちゃうかもしれないなー。


そう言って、芯のお兄ちゃんは笑ってたの。

身震いしたよ。


何で珠希を知ってるの?やっぱり芯が話したの?あなたは何を考えてるの?


私が言ったら、珠希も私にしたことをされるの……?



だめ。





それだけは…………





結局、心配してくれる2人には「何もないよ」と言って笑うしかなかった。

< 66 / 72 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop