ソーダ恋。
「っ…だからそのすました顔が気に食わないんだよ!!」
目の前の、眉毛がなくて
黒髪にピンクのメッシュを入れた先輩の
荒げた声と共に
右手の平があたしの頬に向かって飛んでくる。
こんなのはもう、慣れっこ。
「…ふぅ。」
やっぱこの高校、選択ミスだったかなー。
入学式当日に小さな後悔を浮かべながら
飛んで来た手の平を左手で止める。
指の先があたしの左頬の、数センチ手前って所か。
…あーあ。
「おっそいビンタ。」
あ。
しまった。つい口が…
先輩の手首を捕らえていた右手を離して
口を押さえる。
なんて焦ったところでもう遅くて。
「…んだっ…コイツ!!」
げ。
右側から飛んで来た拳。
それは軽くかわしたけど
周りには逆立った派手なギャルだかなんだかの
ガラの悪い先輩が5人。