草食系鈍感彼氏の射止め方
…と思ったら。
響はアタシの持ってる傘を指差して
「あ、設楽が持ってるんやったらそれでええやん?
なぁ、傘に入れてや?」
そう言いながらアタシの傘を取り上げる。
「あっ…!」
ちょっ…ちょっと!
「こういうときは男が傘を持つのが役割分担、な?」
そして彼は笑ってアタシを見る。
む。
その笑顔、可愛いすぎるんですけど。
いつもより近い距離。
ひとつの傘の中、
ふたり…だから。
彼の体温を近くに感じる。
さっきのエアホッケーのときみたいに。