草食系鈍感彼氏の射止め方
今は冬で寒いはずなのにさっきよりもアタシ、熱ってきてる。
「…肩がひっついてるっ!」
もう、恥ずかしいんだから。
だから思わずそんなこと言ってみるけれど…。
「しゃーないやん、
傘、小さいもん」
響はこういう状態でもなんとも思ってないのか平然と答える。
そんな彼の態度にアタシもできるだけ平静を装う。
「どっかコンビニでもう1本傘買う?」
「面倒くさいからええわ」
あ、そう。
アタシとひっついていたいから、
じゃなくて。
面倒だから、
なのか…。
ま、いっか、それでも。