草食系鈍感彼氏の射止め方

アタシは手についた泥をパンパンと払う。

「手?汚れるって。
せっかくの可愛い手が汚れたらあかん…」

そう言いながら雫石さんはハンカチを差し出してくれた。


「あ、擦り傷になってるなぁ、
ちょっとじっとして?」

そう言って今度は持っていたハンカチをアタシの手の傷口に当てて押さえた。


アタシはその傷口を押さえている手を眺めてさっき「可愛い手」って言ってくれた事を思い出す。


その雫石さんの言葉が何回も頭の中リピートしていつまでもドキドキしていた。



雫石さんは

「痛くない?」

って聞きながら手からハンカチをはずした。


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