―偽愛―
―すれ違う王子と姫―



アタシ達は 一時間ほど海に入って



家へと帰った



海から出る時 水着がいがんでないか気になった



家に入ると 浮輪を元あった場所に返してすぐ、部屋に戻った



アタシと優人は会話も無いまま部屋に戻り、服に着替えた



優人は服に着替えると 下に降りてオカンと何やら話していた



アタシは窓枠に脚をぶら下げて ぼーっとしていた



ガラガラ



隣りの部屋の網戸が開く



“なん?つまらん顔して… ラブラブやん”



“…そうだね…”



“kissマークついとるで”



やっぱり…



“教えてくれて、ありがとう…”



“嫌な事は、〈イヤ〉って言わんとな。それが恋人ってもんで。”



アタシは窓枠から出た脚を部屋に戻して 持っていた鏡を見ながら 絆創膏をkissマークの上に貼った







“広海 スイカ食べよう!”



優人の声



“今、降りる…”



なんか気乗りしないまま 下へと降りた






嫌な事は イヤって言わんと… それが恋人ってもんで



海翔の言葉が 頭から離れなかった



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