―偽愛―




小さな人影が見える




あれだ




アタシは 走った





息を切らしながら



朝の潮風が 気持ち良いはず…



だけど アタシには潮風の気持ち良さなんて 感じられなかった








優人と彼女(?)仲良く手を繋いでる


“その手離して!”

優人の引きつった顔


ストレートの綺麗な長い髪をかき上げながら 振り返る彼女


…綺麗だ


アタシ

完全に負けてる




“その手離して…”



お互い手を離そうとしない





アタシに返して


そう 泣き叫んだら…

優人は戻って来たかな?






なのに… アタシ






“熨斗(のし)付けて アンタにあげるよ”



なんて




なんて バカなアタシ



本当は悔しいのに




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