Dear God


その時、黒い男は初めて僕に向かって立った。


顔が見れるかと期待したが、服と同じような漆黒の仮面を付けていて、金に光る不気味な瞳が見えるだけだ。


そいつは封筒を一枚差し出す。

手は、袖に隠れて見えないまま。


「内容は読めばわかる」


そう一言残して、その黒い人は僕に背を向け、歩き出す。


たったそれだけで、僕の全身に鳥肌が立った。


僕は見てしまったのだ。


 
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