mixed Emotion

涙色の燕

彼女と別れた後、その足で私と理香ちゃんは美玖の家まで行くことにした。
つかさ君のことも気がかりではあるが、さすがに今はこっちの問題の方が先決だった。

先生に呼ばれてそのまま早退するなんて、よっぽどの事があったに違いない。

美玖の最寄りの駅は地下鉄で、学校から一本の線で向かうことができた。

駅から続いている商店街の先に、美玖の家のマンションはあった。


何世帯住んでいるのだろうか、大きなマンションはオートロックになっており、モニターが装備されていた。

入り口の自動扉はおしゃれな木目調になっており、外から中の様子は伺えなくなっている。

私は美玖の部屋の番号を押した。
< 115 / 212 >

この作品をシェア

pagetop