mixed Emotion
その夜、美玖の家から帰る途中、私は電車の中で眠ってしまい、降りるべき駅を乗り過ごしてしまった。

この電車は私の家の最寄り駅を過ぎたら、終点まで止まらない。

「最悪…」

私は誰もいない車両で、自分の心境を声に出した。
ただでさえ最近帰りが遅くて母の目が気になっているというのに…。

終点に着いた私は仕方なく向かいのホームへ歩き出した。


……とそこへ、見たことのある女の子の横顔が、私の前を横切った。
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